中高生にも分かる数学

他のサイトでよくある「数式で一般化した美しい数学」より「例題から理解してもらう親しみやすい数学」を目指しています。

【これで解決】複雑な分数を約分する方法!

【対象年次:中学一年~】

みなさんこんにちは!
中高生にも分かる数学のお時間です。

今回は数学検定1級で出題された、約分の問題を解説していきたいと思います。
「いや、約分とか小学生でもできるでしょ」と思ったそこのアナタ!
この問題を解いてみてください!

\frac{10033}{12877}を約分せよ。

…どうでしょうか。
これを一瞬で約分できる人はなかなかいないんじゃないかと思います。
2,3,5,7,...どれを試してもビクともしてくれません…
ではこういうとき、どうしたらいいのでしょうか?

それを解き明かすカギは、そもそも「約分」とは何なのかを考えることです!

例えば、\frac{6}{8}\frac{35}{10}のように約分できる分数は、分子と分母に1より大きな最大公約数があります。
最大公約数が25のように小さな数であれば、一瞬で約分ができちゃいますが、そうでない場合にはその最大公約数を求めるところから始めなくてはいけません。

では、\frac{10033}{12877}に話を戻しましょう。
もしこの分数が約分できるのであれば、1003312877には最大公約数があるはずなので、それを仮にdとしましょう。
このとき、ある自然数a,bを用いて

10033=a×d
12877=b×d

と表すことができますね。
ではこの2つの数を引き算してみましょう。

12877-10033=(b-a)×d
2844=(b-a)×d

ここで2844素因数分解してみましょう。
素因数分解とは、ある自然数を「素数」だけの掛け算で表すことでしたね。
幸いなことに284423を素因数に持つので、やりやすいです!
2844={2}^2×{3}^2×79
79素数ですので、これで素因数分解終了です。

よって
 2^{2}×3^{2}×79=(b-a)×d
となりますが、このときdに該当するのは79のみであることが分かります。
なぜなら、d1003312877の最大公約数なので1003312877dの倍数でなくてはなりませんが、100332の倍数でも3の倍数でもないからです。

ここまでくればあと一息です!
1003312877の最大公約数はd=73なので、
\frac{10033}{12877}73で約分できるはずです。
実際に73で約分すると、

\frac{10033}{12877}=\frac{127}{163}

となり、127,163はどちらも素数でこれ以上約分できないので、これで終了となります。
一口に「約分」と言っても数学検定1級の問題ともなるとさすがに少し難しいですね…

今回の記事はここまでです、お疲れさまでした!

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では、また他の記事でお会いしましょう!

√2^√2^√2...はいくつ?|無限べき乗塔の計算方法

【対象年次:高校一年~】

みなさんこんにちは!
中高生にも分かる数学のお時間です。

みなさん、パッと思いつくすごく大きな数字って何ですか?
自分は中学生のころ

2222...

と累乗の上にさらに累乗を重ねたらすごく大きくなるんじゃないかなあ、と考えたりしていました。
実際に試してみると

22=4
222=16
2222=65536

と少し繰り返すだけで、こんなに大きくなります。
これは「べき乗塔」と呼ばれるもので、計算方法にも注意が必要です💀
具体的に言うと、

2222=(22)22=422=(42)2=162=256

と左から計算するのは間違いで、

2222=224=216=65536

と右から計算するのが正しいです。
ちょっと複雑ですが、これが「べき乗塔」がすごく大きな数になる理由でもあります。
そしてこれを無限回繰り返したものが…「無限べき乗塔」です!

2222...

これがとんでもなく大きな数字になることは、容易に想像できますよね…!
もちろん無限に繰り返すので、その値も無限になります。
では2平方根√2で同じことを繰り返すとどうなるでしょう?

√2√2√2√2...

「いやいや、無限回やるんだから同じく無限だろうが」と思いますか?

…実はこの値は有限なんです。
にわかには信じられないかもしれませんが、
なぜこの値が無限ではないのか、そしてその値は何なのか、わかりやすく解説していきますのでお付き合いください!

では最初に、今回求めたい値は

√2√2√2√2...

なので、これを仮にXとおくことにしましょう。このとき、

X=√2√2√2√2...

ですが、赤文字の部分もXと等しいことが分かりますでしょうか?
決められた回数しか計算を行わない場合にはこれは成り立ちませんが、
今回は無限回の計算を行うので、Xも赤文字の部分も形式上ほとんど同じということになります!
というわけで、

X=\sqrt{2}^X

という式が成り立ちますね。
ではこれを満たすXの値はどうなるでしょう?

ここではグラフを利用してXの値を求めてみます。
具体的にはy=xy=\sqrt{2}^xのグラフの交点を求めればよいですが、GeoGebraという非常に便利なサイトがあるので使っていきましょう! https://www.geogebra.org/calculator

さて、y=xy=\sqrt{2}^xxy平面に描いてみました!
そしてこのとき2つのグラフの交点は(2,2)(4,4)だということが分かります。
ということは…さきほどの式X=\sqrt{2}^Xを満たすXの値は2,4となります。
実際に代入すると、確かに成立していることが確認できますね!

すなわち、

√2√2√2√2...=2または√2√2√2√2...=4

ということですね!

って…値が2つあるってオカシイやろ!

はい。すみません。この方法だと24であることが分かりますが、どっちなのかまでは分かりません…
どうしたらいいのでしょうか?

では、今度は不等式を使って考えていきましょう。

さきほど描いたy=\sqrt{2}^xのグラフを見てみてください。
このグラフは右肩上がり、すなわちxが大きくなればなるほど、yの値が大きくなっていきます。
これは

実数a,bの大小がa<bであるとき、\sqrt{2}^a < \sqrt{2}^bである。...(事実A)

と言い換えることもできます。
この事実Aは非常に重要ですので、頭の片隅にしっかり詰め込んどいてくださいね!

ではここで、次のような不等式を考えます。

1<√2

この不等式が正しいことは、 \sqrt{2}=1.414...であることから簡単に分かります。
ではこの不等式に事実Aを適用してみましょう。
a=1,b=\sqrt{2}と置き換えて考えると、

√2<√2√2

という式を導くことができます。
さて、新たに得られたこの不等式にさらに事実Aを適用するとどうなるでしょう?
a=\sqrt{2},b=\sqrt{2}^\sqrt{2}と置き換えて考えると、

√2√2<√2√2√2

という式が新たに得られます。
勘のいい人はもう気付いてしまったかもしれませんが、これを何度も繰り返していくと、

√2<√2√2<√2√2√2<√2√2√2√2<...

という不等式が出てくるのです!
この式により、べき乗塔の個数が多ければ多いほど、その値は大きいということが分かりますね!(これは直感的にも理解しやすいです)

ではここで、べき乗塔

√2√2√2√2...√2

と、べき乗塔の最後の\sqrt{2}2に変えたバージョン

√2√2√2√2...2

の大小を比べてみましょう。
分かりやすくするために、例として√2√2√2と√2√22の大小を比較します。
はい、ここでまた事実Aを思い出してみてください。

実数a,bの大小がa<bであるとき、\sqrt{2}^a < \sqrt{2}^bである。

でしたよね!
これを読み替えると、

\sqrt{2}^a と \sqrt{2}^b の大小を比べるには、aとbの大小を比べればよい。

ということが推察できます。これを先ほどのの大小比較に当てはめると、

√2√2√2と√2√22の大小を比べるには、√2√2と√22の大小を比べればよい

ことになります!
さらにさらに畳みかけるように事実Aをもう一度使えば、

\sqrt{2}^\sqrt{2}<\sqrt{2}^2

であることが分かりますから、最終的に√2√2√2と√2√22の大小比較は

√2√2√2<√2√22

となります。
これを応用していくと、

√2√2√2√2...√2<√2√2√2√2...2

であることも分かります。(べき乗塔の最後を2に変えたバージョンの方が大きい)
これで一件落着…にはまだ早いです。
今度はこの不等式の右辺を計算してみましょう!
べき乗塔の計算は右上の累乗から計算していくルールがありましたね!

√2√2√2√2...2
=√2√2√2√22
=√2√2√22
=√2√22
=√22
=2

すごいですね。気持ちいいくらいに次々と\sqrt{2}が溶けていき、最終的に2になってしまいました!
ということは、

√2√2√2√2...√2<√2√2√2√2...2=2
√2√2√2√2...√2<2

となります。そしてこの不等式はべき乗塔の\sqrt{2}をいくら増やしても変わりません!

さてここで一旦、判明した事実についてまとめましょう。

\sqrt{2}の無限べき乗塔の値は24
√2√2√2√2...=2 or 4

\sqrt{2}のべき乗塔は増やせば増やすほどその値は大きくなる。
√2<√2√2<√2√2√2<√2√2√2√2<...

\sqrt{2}の無限べき乗塔は2より小さい。
√2√2√2√2...<2

以上3つの事実により、√2√2√2√2...は一定の値に近づき、その値は2であることが分かりました!!
お疲れ様です!!

√2√2√2√2...=2

みなさん、スマホの電卓などでこれを計算してどんどん2へ近づいていく様子を確かめてみてくださいね!

いかがでしたでしょうか?
すごく大きな数を作るために考えた無限べき乗塔が、無限ではなく有限でしかも2と小さな値になる場合があるというのは意外でしたよね!
数学はしばしば直感に反することがあるので、しっかりその都度検証していくことが大切です!

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では、また他の記事でお会いしましょう!

【絶対に理解できる!!】カルダノの公式|三次方程式の解の公式

【対象年次:高校二年~】

みなさんこんにちは!
中高生にも分かる数学のお時間です。

突然ですがみなさん、二次方程式の解の公式はご存じですか?
…はい、そうです。

2次方程式 ax^{2}+bx+c=0(a\neq0)の解は
 x=\frac{-b±\sqrt{b^{2}-4ac}}{2a}と表される

ということでした。
では、二次方程式だけではなく「三次方程式」にも解の公式があることはご存じでしたか?

別名「カルダノの公式」と呼ばれるこの解の公式は、複雑すぎて実用性は低いですが、確かに存在することが証明されています。
今回はそんな三次方程式の解の公式について、それはどんな形の式なのか?どうやって導き出すのか?
絶対に理解できるように丁寧に解説していきますのでぜひ最後までご覧ください!
間違いなく、どのサイトよりも分かりやすいと自負しております!!

①1の三乗根ωについて

まず三次方程式の解の公式を導き出す前の準備として1の三乗根について説明させてください。
もうすでに知ってるという方は飛ばしていただいて構いません!

とりあえず、1の三乗根の意味から考えてみましょう。
1の三乗根とは「三乗すると1になる数」のことです。…そのまんまですねw
ではそれは具体的にはどんな数でしょうか?まず真っ先に思い浮かぶのは…
そう、1ですね。1それ自体も1の三乗根の一つになります。(13=1ですからね!)

では1以外に1の三乗根はあるでしょうか?
「ないんじゃね?」と思った方、…半分正しいです!
確かに実数の範囲には1の三乗根は1以外にありませんが、複素数の範囲まで考えるとどうでしょう?もしかしたらあるかもしれませんよね。

では1の三乗根を求めるためにこんな方程式を考えてみましょう。

x^{3}=1

これを解けば1の三乗根が全てわかりそうです!
まずは移項して、因数分解してみましょう。

x^{3}-1=0
(x-1)(x^{2}+x+1)=0

因数分解x^{3}-a^{3}=(x-a)(x^{2}+ax+a^{2})を使いました。
ではここで、方程式を解くうえで非常に重要な基本事項を使いましょう。
その基本事項とは、

 AB=0ならばA=0またはB=0

のことです。
掛け算で0になるときは掛ける前の数のどちらかが0という性質ですね!
これを使えば、

x-1=0 または x^{2}+x+1=0

ということになります。
x-1=0x=1ということで問題ないですが、もう一つは二次方程式になってますので二次方程式の解の公式を使って解いてみましょう。

 x^{2}+x+1=0
 x=\frac{-1±\sqrt{1^{2}-4×1×1}}{2}
 x=-\frac{1}{2}±\frac{\sqrt{-3}}{2}

\sqrt{-3}=\sqrt{3}iですので、

 x=-\frac{1}{2}±\frac{\sqrt{3}}{2}i

となりますね!そしてこの2つの複素数(プラスとマイナスで2つ)も1の三乗根であるはずです。
気になる人は実際に三乗してみてください!

さて、複素数の範囲まで考えると1の三乗根は
 1,-\frac{1}{2}±\frac{\sqrt{3}}{2}i
の3つあることが分かりました。
このうち-\frac{1}{2}+\frac{\sqrt{3}}{2}iωと呼ぶことにしましょう。
ちなみにこの名づけ方はx,yのような変数的命名ではなく、どちらかというとπ=3.14…,i=\sqrt{-1}のような定数的命名だということにご注意ください。長くて書くのが面倒臭いので、特別に文字で置き換えているという感じです。

ここで、1の三乗根を含む計算で使える便利な性質を見ていきましょう。

1の三乗根の性質
ω^{3}=1
ω^{2}+ω+1=0

まずω^{3}=1は1の三乗根なので当たり前ですね!
そしてω^{2}+ω+1=0ωが方程式x^{2}+x+1=0の解の一つであることを思い出すと理解できます。
(方程式には解を代入すると成立するという性質があります!)

そしてこのとき、ωだけでなくω^{2}も1の三乗根になっていることがわかります。
なぜなら(ω^{2})^{3}=ω^{6}=(ω^{3})^{2}=1^{2}=1であり、
確かに三乗すると1になっていますよね。
ちなみにしっかりω^{2}=-\frac{1}{2}-\frac{\sqrt{3}}{2}iになってます! よって、次のことが言えます。

1の三乗根は複素数の範囲に1,ω,ω^{2}の3つある。

さらに、ωω^{2}を足すと-1になることも覚えておいて損はないでしょう。
この性質は
ω^{2}+ω+1=0
ω^{2}+ω=-1
から分かります。

②ωを利用した三次式の高度な因数分解

ではセクション1で説明した1の三乗根ωを利用して三次式を因数分解してみましょう。
因数分解は一般的な意味では「実数の範囲」での因数分解のことを指しますが、ここでは複素数の範囲の因数分解を考えてみます。
例えば、

a^{2}+b^{2}

は実数の範囲ではどうやっても因数分解できませんが、
複素数の範囲では虚数単位iを使って、

a^{2}+b^{2}=(a+bi)(a-bi)

と無理やり因数分解することができます!
ではここで三次式

X^{3}+Y^{3}+Z^{3}-3XYZ

因数分解してみましょう。
まずは実数の範囲で以下のように因数分解できます。

X^{3}+Y^{3}+Z^{3}-3XYZ=(X+Y+Z)(X^{2}+Y^{2}+Z^{2}-ZX-XY-YZ)

なかなか難しい因数分解ですが、頭のいい人なら簡単にできるかもしれません。
そしてここからさらにωを使って複素数の範囲で以下のように因数分解できちゃいます!

(X+Y+Z)(X^{2}+Y^{2}+Z^{2}-ZX-XY-YZ)=(X+Y+Z)(X+ωY+ω^{2}Z)(X+ω^{2}Y+ωZ)

んー、難しい!
このように無理やり因数分解することはあまりないですから、拒否反応が起きてしまうかもしれませんが、実はこの因数分解こそが三次方程式の解の公式を導き出す過程で最も重要なポイントであると言っても過言ではないでしょう。
ここでは計算しませんが、この因数分解が本当に正しいかどうか判断するためには括弧を外して展開していくといいと思います。
ω^{3}=1ω^{2}+ω=-1であることに注意すればちゃんと計算できるはずです!

ではまとめです。

三次式X^{3}+Y^{3}+Z^{3}-3XYZは次のように因数分解することができる。

X^{3}+Y^{3}+Z^{3}-3XYZ=(X+Y+Z)(X+ωY+ω^{2}Z)(X+ω^{2}Y+ωZ)

③三次方程式の変形(立方完成)

三次方程式の解の公式を求めるために、一般的な三次方程式がどのような形をしているのか考えてみましょう。
二次方程式の解の公式を出すときに想定する二次方程式の一般形を思い浮かべれば、答えは簡単です。

2次方程式の一般形 ax^{2}+bx+c=0(a\neq0)

これと同じように考えて、

3次方程式の一般形 ax^{3}+bx^{2}+cx+d=0(a\neq0)

となります!
そして、この三次方程式の一般形に対して
x=(a,b,c,dで表された式)
という式にできれば、それが三次方程式の解の公式となります。

ではこの複雑な方程式を少し簡単にするために「立方完成」という操作をしてみます。
この「立方完成」は(式)^{3}と変形することではなく、「次数が2の項を消去する」という操作であることにご注意ください!
具体的にどうすればいいかというと、

x=t-\frac{b}{3a}

を代入してxの式からtの式に変形してください。
こうすることで、次数が2の項がうまく消えてくれるんです!
ではここからは実際の計算になります。

ax^{3}+bx^{2}+cx+d=0

まず両辺をa(\neq0)で割って、

x^{3}+\frac{b}{a}x^{2}+\frac{c}{a}x+\frac{d}{a}=0

ここでx=t-\frac{b}{3a}を代入し、

(t-\frac{b}{3a})^{3}+\frac{b}{a}(t-\frac{b}{3a})^{2}+\frac{c}{a}(t-\frac{b}{3a})+\frac{d}{a}=0

括弧を展開し、ミスしないように計算してうまくまとめると

t^{3}+\frac{-b^{2}+3ac}{3a^{2}}t+\frac{2b^{3}-9abc+27a^{2}d}{27a^{3}}=0

となります。ここで、

p=\frac{-b^{2}+3ac}{3a^{2}},q=\frac{2b^{3}-9abc+27a^{2}d}{27a^{3}}

と置き換えれば、

t^{3}+pt+q=0

と簡単な形になりました。
ここであくまでもp,qは全く関係ない値ではなく、a,b,c,dで表されるということに注意してください。

という感じで、計算はだいぶ省きましたが

3次方程式 ax^{3}+bx^{2}+cx+d=0(a\neq0)はうまく変形することで
t^{3}+pt+q=0という形にすることができる

ということが分かりましたね。
そして狙いどおり次数が2の項が消えてくれました!
先ほども言った通り、目標はxを求めることですが、x=t-\frac{b}{3a}なので
tを求めれば自動的にxを求めることができるので、ここからは元の方程式の代わりに
t^{3}+pt+q=0を解けばいいということになります!

④解の公式の導出

突然ですが、ここで三次方程式
X^{3}+Y^{3}+Z^{3}-3XYZ=0
について考えてみます。これはセクション2で紹介した因数分解を使えば、
(X+Y+Z)(X+ωY+ω^{2}Z)(X+ω^{2}Y+ωZ)=0
と変形できますね。

そしてセクション1で紹介した、方程式を解く上での基本事項を思い出してください。

 AB=0ならばA=0またはB=0

これは掛け算で0になるときは掛ける前の数のどちらかが0という性質でした。
ここで、これをさらに応用すれば

 ABC=0ならばA=0またはB=0またはC=0

ということがわかります!この性質を使うと、

(X+Y+Z)(X+ωY+ω^{2}Z)(X+ω^{2}Y+ωZ)=0

ならば、

X+Y+Z=0またはX+ωY+ω^{2}Z=0またはX+ω^{2}Y+ωZ=0

となります。

2つの方程式の接続/変形

今度は三次方程式X^{3}+Y^{3}+Z^{3}-3XYZ=0
三次方程式t^{3}+pt+q=0に接続してみましょう。

「いきなりそんなこと言われても…」と思うかもしれませんが、これも非常に重要なステップです。
ちなみにここでいう”接続”とは、簡単に言えば「X,Y,Zに適切な数を代入してt^{3}+pt+q=0に変形する」ということです。
では具体的にどのような数を代入すればX^{3}+Y^{3}+Z^{3}-3XYZ=0t^{3}+pt+q=0に変形できるのでしょうか。

見通しとしては、Xを変数tに移し替えて、Y,Zを定数p,qに移し替えていくイメージです。
なんだかフワッっとした説明で申し訳ないですが、計算過程を見た方が分かりやすいと思うのでとりあえずやってみますね。

まず単純にX=tで置き換えます。すると、
t^{3}+Y^{3}+Z^{3}-3tYZ=0
となります。これだと分かりにくいので項を並び替えてみましょう。
t^{3}+(-3YZ)t+(Y^{3}+Z^{3})=0
こうして見ると、だいぶt^{3}+pt+q=0に近づいてきたと思いませんか?
さらにここで、
-3YZ=p,Y^{3}+Z^{3}=q
と置き換えることによって、
t^{3}+pt+q
に変形することに成功しました!ごちゃごちゃしてきたので一旦まとめますね。

X^{3}+Y^{3}+Z^{3}-3XYZ=0は
X=t,-3YZ=p,Y^{3}+Z^{3}=qと置き換えることによって
t^{3}+pt+q=0に変形することができる。

また、-3YZ=p,Y^{3}+Z^{3}=qと置き換えましたが、
これでは具体的なY,Zの値が分かりません。
なのでこの関係式からY,Zを求めてみましょう!(具体的にはY,Zp,qを含んだ式で表します)

Y,Zをpおよびqの式で表す

まず、-3YZ=pZについて解くと、
Z=-\frac{p}{3Y}
となりますね。そしてこれを
Y^{3}+Z^{3}=q
に代入すると、
Y^{3}+(-\frac{p}{3Y})^{3}=q
Y^{3}-\frac{p^{3}}{27Y^{3}}=q
となります。ここまでは大丈夫でしょうか?
そしてこのままではYが分母にあって扱いにくいので、Y^{3}を両辺に掛けて、
Y^{6}-\frac{p^{3}}{27}=qY^{3}
Y^{6}-qY^{3}-\frac{p^{3}}{27}=0
という式になりました。

「…いや、3次方程式解こうとしてるのに6次方程式出てきてしまってるやん…」と思われてしまうかもしれませんが、そうなんです。
3次方程式の解の公式を導くには、一度このような6次方程式を経由しないといけないのです…複雑ですね。
しかし、この6次方程式はある工夫をすればそこまで大変な方程式ではありません。
ではどのような工夫をすれば解けるのか。それは「Y^{3}を1つの文字として見る」ということです!
具体的に式で見ると、
(Y^{3})^{2}-q(Y^{3})-\frac{p^{3}}{27}=0
ということです。
こうして見ると分かりますが、この方程式はY^{3}に関する二次方程式とみなすことができますね!
では実際に解の公式を使って解いてみると

 Y^{3}=\frac{-(-q)±\sqrt{(-q)^{2}-4×1×(-\frac{p^{3}}{27})}}{2×1}

分母にある\frac{1}{2}\sqrt{}の中に入れて計算すると、

 Y^{3}=\frac{q}{2}±\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}

となりました!なんだかそれっぽくなってきましたね!
では今度はZ^{3}の値も求めてみましょう。Y^{3}+Z^{3}=qにこれを代入すると、

 \frac{q}{2}±\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}+Z^{3}=q
 Z^{3}=q-\frac{q}{2}∓\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}
 Z^{3}=\frac{q}{2}∓\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}

ここで、\sqrt{}の前にある符号が±ではなく∓であることに注意しましょう。
こうしてY^{3},Z^{3}の値が分かりましたが、みなさんはこの2つの違いが「\sqrt{}の前にある符号が互いに逆である」だけなことに気づきましたでしょうか?
そして、このことから

 Y^{3}=\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}} のとき  Z^{3}=\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}
 Y^{3}=\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}} のとき  Z^{3}=\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}

となることがわかります。
さらにこのY^{3},Z^{3}は「対称」であるため、符号を勝手に決めてしまって構いません。
ですからここでは、

 Y^{3}=\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}},Z^{3}=\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}

とすることにします。
「対称」であることは「入れ替え可能である」こととほぼ同じ意味ですが、詳しくは下で解説しておきますので、よく分からないという方は参考にしてみてください!ちなみに、この記事ではY,Zを入れ替えても最終的に意味が全く変わらないようになってますので、よかったら確認してみてください。


〈対称 と 対称式 とは〉
ある式の中で、入れ替えても式の内容が入れ替わらない文字があるとき、その文字同士は「対称」であるといいます。
そしてその式のことを、その文字同士における「対称式」といいます。
そして「対称」である2つの数には自由に条件を設定できる場合があります。
例えば、「和が5,積が6になる2つの数は?」と聞かれたときにα+β=5,αβ=6という式を立てると、
α=2,β=3またはα=3,β=2という答えが得られますが、実質求められているのは2,3という答えだけなのでαがどっちか?βがどっちか?ということはどっちでもいいですよね?
だから便宜上α=2,β=3にしちゃおう!と考えてもいいわけです。
そしてこうなるのは、α,βが「対称」すなわち「入れ替え可能」であるからなのです。


話を元に戻しましょう。
 Y^{3}=\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}},Z^{3}=\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}
としたので、ここからさらにY,Zを求めましょう。

本当はもう少し慎重に考えなくてはなりませんが、
ここでは単に三乗根をとることでY,Zを求めることにします。
ちなみに三乗根とは「三乗すると元の数になる数」のことで、
平方根\sqrt{}で表すのに対し、三乗根は^{3}\sqrt{}で表すことができます。
ということでY,Zはそれぞれ、

 Y=^{3}\sqrt{\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}},Z=^{3}\sqrt{\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}

となります!
さあ、ここまでくれば解の公式まではあと少しです!

解の公式の導出

ここで少し前の話を思い出してください。

三次方程式X^{3}+Y^{3}+Z^{3}-3XYZ=0因数分解することで、
(X+Y+Z)(X+ωY+ω^{2}Z)(X+ω^{2}Y+ωZ)=0と変形できて、このとき
X+Y+Z=0またはX+ωY+ω^{2}Z=0またはX+ω^{2}Y+ωZ=0となるのでした。

また、三次方程式X^{3}+Y^{3}+Z^{3}-3XYZ=0は、
X=t,-3YZ=p,Y^{3}+Z^{3}=qと置き換えることによって、
t^{3}+pt+q=0に変形することができるのでしたね。
そしてこのとき、 Y=^{3}\sqrt{\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}},Z=^{3}\sqrt{\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}
となるのでした。


この2つのことをまとめると、
X+Y+Z=0またはX+ωY+ω^{2}Z=0またはX+ω^{2}Y+ωZ=0
かつ
X=t,Y=^{3}\sqrt{\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}},Z=^{3}\sqrt{\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}
なので

t+^{3}\sqrt{\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}+^{3}\sqrt{\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}=0
または
t+^{3}\sqrt{\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}ω+^{3}\sqrt{\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}ω^{2}=0
または
t+^{3}\sqrt{\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}ω^{2}+^{3}\sqrt{\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}ω=0

となります。
ここからさらに、立方完成時に使った
x=t-\frac{b}{3a}
すなわち
t=x+\frac{b}{3a}を代入し、

x+\frac{b}{3a}+^{3}\sqrt{\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}+^{3}\sqrt{\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}=0
または
x+\frac{b}{3a}+^{3}\sqrt{\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}ω+^{3}\sqrt{\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}ω^{2}=0
または
x+\frac{b}{3a}+^{3}\sqrt{\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}ω^{2}+^{3}\sqrt{\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}ω=0

最後に移項によりx=の形にすることと、^{3}\sqrt{}の中にマイナスの符号を入れることができることに注意して並び替えると、

x=-\frac{b}{3a}+^{3}\sqrt{-\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}+^{3}\sqrt{-\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}
x=-\frac{b}{3a}+^{3}\sqrt{-\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}ω+^{3}\sqrt{-\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}ω^{2}
x=-\frac{b}{3a}+^{3}\sqrt{-\frac{q}{2}-\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}ω+^{3}\sqrt{-\frac{q}{2}+\sqrt{(\frac{q}{2})^{2}+(\frac{p}{3})^{3}}}ω^{2}
ただしp=\frac{-b^{2}+3ac}{3a^{2}},q=\frac{2b^{3}-9abc+27a^{2}d}{27a^{3}}

どうでしょう!
確かにこれはx=(a,b,c,dで表された式)になっていることが分かりますね!
そしてこれが「カルダノの公式」と呼ばれる三次方程式の解の公式になります。
これがあれば、どんな三次方程式も一応解くことができるわけです!
まあ…複雑すぎて覚えられませんけどね…

やはり、この解の公式を導く上で最も重要になってくる部分は
X^{3}+Y^{3}+Z^{3}-3XYZ=0
(X+Y+Z)(X+ωY+ω^{2}Z)(X+ω^{2}Y+ωZ)=0因数分解できることでしょう。

方程式を解くことは「『対称性』を崩すことだ」と言われることがありますが、この因数分解の正体こそ正にその「対称性の崩れ」だと思います。
なぜなら一段階前の(X+Y+Z)(X^{2}+Y^{2}+Z^{2}-ZX-XY-YZ)=0という形ではX,Y,Zはどれを入れ替えても式の意味は変わらないのに、
(X+Y+Z)(X+ωY+ω^{2}Z)(X+ω^{2}Y+ωZ)=0とさらに1の三乗根を使って因数分解することによって、X,YおよびX,Zは互いに入れ替えられなくなってしまっているからです。
いやあ…興味深いですね…

さて、いかがでしたでしょうか?
かなり長々しい記事になってしまいましたが、それだけ三次方程式の解の公式を導出することは骨が折れる、ということですね! もし、この記事が三次方程式の解の公式の導き方を理解するための助けになれたら幸いです。

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では、また他の記事でお会いしましょう!

モンティホール問題|「確率の直感に騙されるな!」

【対象年次:中学二年~】

みなさんこんにちは!
中高生にも分かる数学のお時間です。

今回は「モンティホール問題」という有名な確率の問題に関する記事です。
この問題は中学生で習う範囲でも十分に理解できるのに、世界中の人々が騙されてしまったという何とも癖のある問題だったと言われています!
本質は簡単なのに世界の有名な大学の教授ですら騙されてしまったというのは、確率の「怖さ」や「面白さ」を感じることができて何だか面白いですよね。

では早速、モンティホール問題とはどのようなものなのか分かりやすく説明しましょう。

f:id:exponential0805:20220211151655p:plain

ここには3つの箱があります。その中の1つには100万円が入っており、それ以外の2つには何も入っていません。
あなたはその3つの箱のうちどれに100万円が入っているか知りませんが、その100万円が欲しいです。
あなたは一度、その3つの箱の中から1つを選ぶことができ、その箱を自分の手元に置くことができます。ただし中身はまだ見てはいけません。
そのあと、箱の中身を知っているボブが"あなたが選んでいない箱"のうち、1つの中身を見せてくれます。
ただしボブはどの箱に100万円が入っているのか知っているので、必ず100万円が入っていない箱の中身を見せてくれます。

ではこのとき、あなたにもう一度選択権が与えられたなら
"あなたが初めに選んだ箱"か"選んでいない方の箱"、どちらを選ぶ方が得だと思いますか?」

これが世を騒然とさせた「モンティホール問題」です。
ちなみに、3つの箱のうちボブが中身を見せてくれる箱は必ず「何も入っていない箱」なので、今残っている2つの箱のうちどちらかには必ず100万円が入っていることになりますね。

「…いや、どっちでも同じやん。中身わかんないんだから」と思いますか?
お恥ずかしながら、僕も最初は「同じやん。どっちも\frac{1}{2}じゃないの?」と思っていました。

しかし、これがこの「モンティホール問題」の深い深い落とし穴なのです…ガクブル
結論から言うと、なんと
 "初めに選んでいない方の箱"を選ぶ方が100万円を手にできる確率が2倍も高い
のです!!!

…マジでヤバいですよね。(笑)
直感では間違いなく変えようが変えまいが確率は変わらないのに、真実は直感とは全く異なる結果になってしまうのです( ゚Д゚)
(逆に直感でこれが分かった方、才能あります)

信じられない人は近くにいる人を誘って実験してみるといいでしょう!(紙を3枚用意して〇を1つ,✕を2つ書けば再現できます。あなたがボブ役をやってあげてくださいw)
「最初に選んだ紙から絶対変えない場合」と「必ず最初に選んだ紙から変える場合」をそれぞれ10回ずつやってみると、
おそらく「絶対変えないときの〇を当てる確率」は「必ず変えるときの〇を当てる確率」の半分くらいになっているのことでしょう…

では、なぜそんなおかしなことになるのか(実際には何もおかしくないんだけど)解説します!

意外と考え方の本質は簡単です。次のように考え方を変えてみましょう。

①あなたが最初に選んだ箱から変えないときに100万円を当てられるのは、あらかじめ3つの箱のうち1つあるアタリの箱を選んでいた場合なので、その確率は
\frac{1}{3}
になります。当たり前っちゃあ当たり前ですねw

②あなたが最初に選んだ箱から変えたときに100万円を当てられるのは、あらかじめ3つの箱のうち2つあるハズレの箱を選んでいた場合なので、その確率は
\frac{2}{3}
になりますよね!

どうですか?確かに②の確率(変えたときに当たる確率)は①の確率の(変えないときに当たる確率)の2倍になってますよね。

 (①の確率)×2=(②の確率)

ということで、再度選択権を与えられた際には「最初に選んでいない方の箱に変えた方」が2倍得するということになります!

このように、確率の問題では「直感」と「結果」が大きくズレる事例が多々あります。
この「モンティホール問題」も見方を変えれば単純なのに、ボブのような変な登場人物が現れると惑わされてしまいます…
なので、みなさんも確率の問題を考えるときはよくよく注意しましょう。

確率の世界では正しいと思える直感ですら、真実とは限らないのですから…

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自然数の分割|美しい数の性質をご紹介!!

【対象年次:中学一年~】

みなさんこんにちは!
中高生にも分かる数学のお時間です。

今回は自然数の「分割」についてお話したいと思います。
この記事は小学校高学年の方でも一応理解できるようになっていますので、ぜひ最後までご覧ください!

まず、自然数の「分割」とは何でしょうか?
「なんか難しそう…」と思われてしまいそうですが、その定義は意外にも簡単です。

自然数nを自然数の和で表す方法

これはどういうことでしょうか?
例があると理解しやすくなると思いますので、例えば4の分割について考えてみましょう。

4=1+3=2+2=2+1+1=1+1+1+1

なので、4の分割は

(1+3),(2+2),(2+1+1),(1+1+1+1)

の4通りであることが分かります。

※海外では4自体を分割に含め全体で5通りとする理論もありますが、
日本で「自然数」の意味は0を含まないことになっているので
今回は4+0を「分割」には含めないこととしておきます。

このように「分割」とは同じ数を使ってもよく、何回足し算記号を使って表してもよいですが、
(1+3),(3+1)のような、ただ順番を変えたようなものは同じとみなすルールがあります。

さて、「分割」というものを説明しましたが、
「正直、だから何なの?」という気持ちになると思います。
しかしここで言いたいのは、重要なのは「分割の方法」よりもむしろ「分割のパターン数」ということです。

先ほど例に挙げた4の分割について考えてみましょう。
4の分割は

(1+3),(2+2),(2+1+1),(1+1+1+1)

であるとわかりました。このとき分割のパターンは4種類なので、次のような数式で書くことにします。

p(4) = 4

この数式の意味を言葉で説明すると、
4を分割したときのパターン数は4である」
ということです。
一般的に自然数nを分割のパターン数をp(n)と表します。

たとえば3
3=1+2=1+1+1のように分割されるので、p(3)=2ということになりますね!

そして今回ご紹介したいのは分割の中でも特に、「2つの自然数の和で表す分割」についてです。
例としては
4=1+3=2+2
3=1+2
などのことです。
このような分割を特別に「二分割」と呼ぶことにします。
また、自然数nの二分割のパターン数をp_2(n)を表すこととしましょう。
定義の紹介が多くて申し訳ありませんが、今後の話をスムーズにするためにご了承ください…!

では、例として20の二分割を求めてみましょう。
順番を変えただけのものは同じとみなすので、

20=1+19=2+18=3+17=4+16=5+15=6+14=7+13=8+12=9+11=10+10

の10通りであることが分かりますね。 よってp_2(20)=10と表すことができます。
他には奇数である9も二分割すると、

9=1+8=2+7=3+6=4+5

の4通りであることが分かります。
同様にp_2(9)=4と表すことができますよね。
ここから推察すると、次のような事実が分かります。

nが偶数ならばp_2(n)=\frac{n}{2},nが奇数ならばp_2(n)=\frac{n-1}{2}

これはなんとなく正しそうだし、実際に正しいです。
ここでは証明しませんが、20,9の二分割を見ればほとんど証明できたようなものだと思います。

どうですか?ここまではまだ簡単ですよね。
では今度は二分割した自然数同士が互いに素(最大公約数が1)になるような分割を考えてみましょう。
また、このような分割を特別に「相素分割」と呼ぶことにします。
二分割した後の自然数が互いに(相互に)素であるような分割なのでこのように呼びます!
さらに、自然数nの相素分割のパターン数をq_2(n)を表すこととしましょう。

20の相素分割は先ほどの二分割のうち、互いに素であるものを選べばいいので、

20=1+19=3+17=7+13=9+11

となり、q_2(20)=4となりますね。
9の相素分割も同様に、

9=1+8=2+7=4+5

となるので、q_2(9)=3となります。

…いきなり法則性がつかめなくなってきましたね。
頭のキレる人はもう法則性を見つけているかもしれませんが、
法則性が見つけられない人はもう少し一緒に例題を見ていきましょう。

(例題)
7,13を二分割および相素分割せよ

ではまず、7を二分割すると
7=1+6=2+5=3+4
となり、p_2(7)=3となります。また、相素分割は
7=1+6=2+5=3+4
となり、これもまたq_2(7)=3となります。

では次に、13を二分割すると
13=1+12=2+11=3+10=4+9=5+8=6+7
となり、p_2(13)=6となります。また、相素分割は
13=1+12=2+11=3+10=4+9=5+8=6+7
となり、これもまたq_2(13)=6となります。

はい、どうでしょうか?
7,13素数で二分割と相素分割が全く同じ分割になりました。
すなわち二分割後の数が常に互いに素となっているということです。
ではこのようなことはなぜ起こるのでしょうか?

ここで、素数pを二分割した後の自然数が常に互いに素であるということを「背理法」用いて証明してみましょう。

もとの命題が間違っている、すなわち
素数pを二分割すると、互いに素でない2つの自然数a,bによってp=a+bと表される場合があると仮定します。
このとき、a,bは互いに素でないのでその共通因数をK(2以上の自然数)とすると、
a=Ka',b=Kb'(a',b'は自然数)と表すことができるので

p=a+b
p=Ka'+Kb'
p=K(a'+b')

となりますが、K≥2,(a'+b')≥2なので
pが2以上の自然数の積で表されることになりますよね。
これはp素数であるということに矛盾してしまいます。
よって仮定が間違っており、元の命題が正しいことが分かるのです。

このことから、素数を二分割したときの2つの自然数は常に互いに素となり、
その結果「二分割」と「相素分割」が完全に一致するわけです。
もちろん分割のパターン数も等しくなるのでp_2(素数)=q_2(素数)となるのです。
さらに2以外の素数はすべて奇数であり、そのときp_2(n)=\frac{n-1}{2}だったので、次のようなことが言えます。

pが2以外の素数ならば
その二分割と相素分割は完全に一致し、
p_2(p)=q_2(p)=\frac{p-1}{2}

ということが分かりました。
もちろん2の場合は2=1+1であるので
p_2(2)=q_2(2)=1ということができます。

では素数ではない9,20などの自然数の相素分割はどのように表すことができるのでしょうか?
先ほども述べたように、9の二分割と相素分割は
9=1+8=2+7=3+6=4+5
9=1+8=2+7=4+5
となります。ここで二分割のうち相素分割ではないものに着目してみましょう。
9=3+6=3(1+2)
この括弧のなかの分割は9の約数である3の二分割になっていることが分かります。
同様に20の二分割と相素分割は
20=1+19=2+18=3+17=4+16=5+15=6+14=7+13=8+12=9+11=10+10
20=1+19=3+17=7+13=9+11
であり、分割のうち相素分割ではないものに着目すると、
20=2+18=4+16=5+15=6+14=8+12=10+10
20=2(1+9)=4(1+4)=5(1+3)=2(3+7)=4(2+3)=10(1+1)
であり、括弧の中の分割は20の約数である2,4,5,10の相素分割をすべて網羅していることが分かります。
このことから、20の二分割のうち、約数である2,4,5,10の相素分割の分を差し引けば20の相素分割のパターン数となることが示唆されますね!
式で表すなら、
q_2(20)=p_2(20)-q_2(2)-q_2(4)-q_2(5)-q_2(10)
q_2(20)=10-1-1-2-2=4
となります。

ヤバい、話についていけないという方のために2,4,5,10の相素分割についても解説しておきましょう。
2,5については素数なので、二分割と相素分割は一致し、
2=1+1
5=1+4=2+3
より、
q_2(2)=p_2(2)=\frac{2}{2}=1
q_2(5)=p_2(5)=\frac{5-1}{2}=2
となることが分かるでしょう。
4については
4=1+3=2+2のうち相素分割であるものは、4=1+3のみなので
q_2(4)=1となり、
10については
10=1+9=2+8=3+7=4+6=5+5のうち相素分割であるものは、10=1+9=3+7なので
q_2(10)=2となりますね!

ここで、ちゃんと
q_2(4)=p_2(4)-q_2(2)=2-1=1
q_2(10)=p_2(10)-q_2(2)-q_2(5)=5-1-2=2
となっていることにことにも気づきましょう!

再び
q_2(20)=p_2(20)-q_2(2)-q_2(4)-q_2(5)-q_2(10)
に着目しましょう。
この式のq_2(20),p_2(20)を移項して両辺に-1をかけると、
p_2(20)=q_2(2)+q_2(4)+q_2(5)+q_2(10)+q_2(20)
となり、この右辺に0を足しても式は変わらないので、
p_2(20)=0+q_2(2)+q_2(4)+q_2(5)+q_2(10)+q_2(20)
となります。
ここで1はこれ以上分割できないことを考えるとその分割のパターン数は0と考えることができるので、
p_2(1)=q_2(1)=0となり、
p_2(20)=0+q_2(2)+q_2(4)+q_2(5)+q_2(10)+q_2(20)に代入して、
p_2(20)=q_2(1)+q_2(2)+q_2(4)+q_2(5)+q_2(10)+q_2(20)
という式を得ることができました!

この法則をまとめると、

p_2(n)=q_2(nの約数1)+q_2(nの約数2)+q_2(nの約数3)+…

となります。

ああ~、非常に美しい式ですね…!
ちなみにこの式の右辺は自然数nの約数の個数分の項があることになります。

いかがでしたでしょうか?
自然数を2つの自然数の和に分解する「二分割」のパターン数が、その約数の「相素分解」のパターン数の総和で表されるのは何かロマンのようなものを感じずにはいられないですよねえ~…

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互いに素な数の「和」と「差」の性質

【対象年次:中学一年~】

みなさんこんにちは!
中高生にも分かる数学のお時間です。

今回は互いに素な2つの数の「和」と「差」の性質についてのお話になります。
その性質とは以下のようなものです。

自然数a,bが互いに素ならば、(a+b)はaともbとも互いに素である。
また、(a-b)もa,bと互いに素である。

ちなみに「互いに素」とはお互いに共通因数を持たないような数同士に対して使う言葉になります。
さて、この性質は色々な整数問題を解くのに非常に有用な性質ですが、
これは本当に正しいのか、証明していきたいと思います。

まずこの証明には「背理法」を用いることにしましょう。
背理法はその命題が間違っていると仮定して、その矛盾を示して間接的にもとの命題を証明することでした。

もとの命題が間違っているとすると、
「自然数a,bが互いに素なとき、(a+b)はaまたはbと共通因数を持つ」
となります。

ではまず(a+b)aが共通因数を持つとして、その共通因数をK(2以上の自然数)としましょう。
ここでKを2以上の自然数としたのは、K=1であればそもそも(a+b)aは共通因数を持つことにならないからですね!
「共通因数」とは2以上の自然数という条件があり、1は共通因数とは言えないのです。
さて、このとき
(a+b) = Kp (pは自然数)…式1
a = Kq(qは自然数)…式2
と表すことができます。ではこの2つの式の引き算をしてみましょう!

(式1の左辺)-(式2の左辺)=(式1の右辺)-(式2の右辺)
(a+b)-a=Kp-Kq
b=K(p-q)

もちろんaKを因数に持つことになりますよね。
そしてaより(a+b)の方が大きいのでp>qとなり、(p-q)自然数です。
しかしこれではb=K(p-q)なので、bKを因数に持つことになってしまいました。
これは「a,bが互いに素」に矛盾するので、(a+b)aが共通因数を持つという仮定が間違っていることが分かりましたね!

では、(a+b)bが共通因数を持つと仮定するとどうでしょう?
…実はこれも同じように証明することができます。
先ほどの証明のaにあたる部分をすべてbに置き換えて考えてみましょう。
同様に証明することができるはずです!

というわけで、
自然数a,bが互いに素ならば、(a+b)はaともbとも互いに素である。
ということが証明できましたが、
(a+b)ではなく、差(a-b)についてはどうでしょうか?

もちろんこの場合もa,bの大小関係に注意すれば和のときと同様に証明することが可能です。
具体的には(a-b)を考えるときにはa>bという条件を付け加えれば自然数の範囲で共通因数を考えることができます!

さて、今回のまとめです。

自然数a,bが互いに素ならば、
(a+b)はa,bと互いに素であり、(a-b)もa,bと互いに素である。

ということが分かりましたね!
ちなみこの事実はほとんど自明(明らかに分かる)なので使う時はいちいち証明はしなくていいようです!

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コラッツ予想|【コード付き】Pythonでプログラミング作成してみた!!

【対象年次:中学一年~】

みなさんこんにちは!
中高生にも分かる数学のお時間です。

今回は数学上の未解決問題である「コラッツ予想」に関するお話をしたいと思います。
まず、コラッツ予想とはどんなものであるかご覧ください。

<コラッツ予想>
nを2以上の自然数とする。このとき、
nが奇数ならば\frac{3n+1}{2},nが偶数ならば\frac{n}{2}という計算で新たな自然数を生成する際、
その操作を有限回繰り返すと最終的に1になる

というものです。
これだけ言われてもわかりにくいと思うので、例題を考えてみましょう。

<例題> n=17として何回か操作を行ったとき、それは1になるか?

まず、17は奇数なので次の自然数
\frac{3\times17+1}{2}=26となります。
この生成された自然数である26は偶数なので次の自然数は、
\frac{26}{2}=13となりますね。
これを繰り返していくと、
17→26→13→20→10→5→8→4→2→1
という感じになります。
おおー!最終的には1になりましたね!
ちなみに矢印の個数が操作の回数なので17は9回の操作で1になるんですね。
(計算は自分でやってみてくださいね)

さて、これを見てもらうとわかるのですが
ある自然数が奇数だったときの次の自然数は増加しており、
ある自然数が偶数だったときの次の自然数は減少していますよね。
どういうことかというと、
17→26,13→20,5→8
のように左の自然数(計算前の自然数)が奇数なら、右の自然数(計算後の自然数)は左の自然数より大きく
26→13,20→10,10→5,8→4,4→2,2→1
のように左の自然数が偶数なら、右の自然数は左の自然数より小さくなることが分かります。
これは奇数のときの操作、偶数のときの操作を見れば一目瞭然です。
nが奇数ならば\frac{3n+1}{2}という計算を行うので、自然数nは大体\frac{3}{2}倍され、
nが偶数ならば\frac{n}{2}という計算を行うので、自然数n\frac{1}{2}倍されるわけです。

このことから確率論的にはこの「コラッツ予想」は正しいと予測できます。
その理由を説明しましょう。

まず、自然数nに対して何回か操作を繰り返したとします。
このとき
「ある自然数を選ぶとき、それが『奇数である確率』と『偶数である確率』は同じである」
という事実を利用すると、奇数である際に行われる操作\frac{3}{2}倍と偶数である際に行われる操作\frac{1}{2}倍が大体同じ回数行われるはずなので、その回数をmとすると、操作後にはn
((\frac{3}{2})^{m}\times (\frac{1}{2})^{m})n=(\frac{3}{4})^{m}n=\frac{3^{m}}{4^{m}}n
という大きさになっているはずですね。

ここで操作の回数を増やしていくとmはどんどん大きくなっていき、
それに従って\frac{3^{m}}{4^{m}}nはどんどん減少していくことが分かります。
(これは、\frac{3^{m}}{4^{m}}mの増加に従って減少するからです!)

よって何回も操作を行えば、\frac{3^{m}}{4^{m}}n = (操作後のnの大きさ)はどんどん小さくなっていくので、
最後には1になるだろうと期待できるのです。

ですが、これはあくまでも確率的にそうなるだろうと予想できるだけであって、
実際にこの予想の正しさとは全く無関係であることには注意しなくてはいけません。
最初に選ぶ自然数nによっては、操作後の数が奇数になることが多く\frac{3}{2}倍される回数の方が優位になり、最終的にはどんどん大きくなって1にならない可能性も残されているのです。
また、操作を行っているうちにループが起こって1になることは永遠にないかもしれません。
このようにこの「コラッツ予想」は確率的なアプローチ以外で解決しなくてはならないのです!

というわけで、その第一歩として「Python」を使って、このコラッツ予想を研究するためのプログラムを作成しました。
以下の画像は100以下の自然数に対して何回の操作で1になったかを示したものです。

f:id:exponential0805:20190327025909j:plain

各括弧の中に記載された情報は
[(1に到達するまでに要した操作の回数k),(最初に選ぶ自然数n)]となっています。
先ほど例として示したn=17は、確かに[9,17]となっているのが分かりますね。
さて、この表を見ていて気付くこととしては、

隣り合った自然数同士は1に到達するまでに要する操作の回数が等しいことが多い

ということだと思います。
例としてはいくつもありますが、
[10,34],[10,35]や3つ並んだ[12,44],[12,45],[12,46]、
さらには交互に5つ連続で並んだ[14,56],[22,57],[14,58],[22,59],[14,60]などもあります。

これらの数の並びは偶然というにはあまりに出来すぎていると思います。
きっとこの裏には何か興味深い真実が隠されているのでしょう…!

また、100以下の自然数に対して
横軸に(最初に選ぶ自然数=n),縦軸に(1に到達するまでに要した操作の回数k)をとったグラフを描くと以下のようになります。

f:id:exponential0805:20190327032900p:plain

比較的kの値が5~20の間に落ち着いている中、たまに突出してkの値が大きな場合が現れていますね。

また、1000以下の自然数に対しても同様のグラフを描くと、

f:id:exponential0805:20190327033239p:plain

のようになります。
さっきより突出したkの値は多くなっていますが、kの大きさ自体はそこまで跳ね上がっているようには見えませんね。

そしてさらに飛んで100万以下の自然数に対しても同様のグラフを描きました。

f:id:exponential0805:20190327033531p:plain

激しく振動して塗りつぶされた青い領域はゆがんだ長方形のように見えます。
kの振れ幅がそれほど大きくなっているようには見えず、上限があるようにも見えます。
nを大きくしていくと、いつかkの平均は頭打ちになるのでしょうか?
ううむ、興味深い…。

というわけでプログラミングを使うと膨大な量の計算ができるので、手計算では分からないようなことに気づくことができました!
今回の結果から予想できることを今度は数式を用いて証明していけたらいいなと考えております!

では最後に「Python」に使用したコードを貼っておきます。
私的利用の範囲でしたら、お使いいただいて構いませんのでよろしくお願いいたします!

import math
import matplotlib.pyplot as plt

import sys

sys.setrecursionlimit(2000)

def collatz(n):
    if n == 1:
        return True
    elif n % 2 == 1:
        return (3*n+1)/2
    elif n % 2 == 0:
        return n/2

def c_process(n,RANGE=1000):
    lst = []
    for i in range(1,RANGE+1):
        if n == 1:
            lst.append(i-1)
            return lst
            break
        elif n % 2 == 1:
            lst.append(1)
        elif n % 2 == 0:
            lst.append(2)
        n = collatz(n)


def c_count(n,RANGE=1000):
    for i in range(1,RANGE+1):
        if n == 1:
            return i-1
            break
        n = collatz(n)


def c_staired(n):
    lst = []
    for k in range(2,n+1):
        lst.append([c_count(k),k])
    return lst


def p_staired(n):
    lst = []
    for k in range(2,n+1):
        lst.append(c_count(k))
    return lst


def c_plot(n):
    k = [ k for k in range(2,n+1) ]
    m = []
    for c in p_staired(n):
        if c == None:
            m.append(0)
        else:
            m.append(c)

    plt.plot(k,m)
    plt.grid(color='grey')
    plt.show()
    print(m)

「中高生にも分かる数学」では数学が苦手な人にも非常に分かりやすい記事を心がけています。
他にもいくつか記事があるので、ご覧いただけると嬉しいです!
では、また他の記事でお会いしましょう!