中高生にも分かる数学

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モンテカルロ法による円周率πの求め方!!

【対象年次:中学二年~】

みなさんこんにちは!
中高生にも分かる数学のお時間です。

今回は確率的な円周率πの求め方、「モンテカルロ法」をご紹介いたします。
早速ですが、以下のような図形を考えてみましょう。

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これは一辺4cmの緑色の正方形の内部に半径2cmの赤色の円が内接している図形です。

では、この一辺4cmの正方形の内部にランダムに点を打つとします。
このときその点が赤色の円の内部にある確率はどうなるでしょうか?

直感的に考えて、点は広い場所に打たれる確率が高く、狭い場所に打たれる確率は低いはずですよね。
それなら、点が「ある場所」に打たれる確率というのは「その場所」の面積に比例するということになるはずです。
これを踏まえて「ランダムに打たれた点が赤色の円の内部にある確率p」を考えると、

p = \frac{赤色の円の面積}{緑色の正方形の面積} = \frac{π×2cm×2cm}{4cm×4cm} = \frac{π}{4}

となることが分かります!
そしてこの「ランダムに打たれた点が円の内部にある確率p」に「円周率π」が含まれていることを利用して円周率の近似値を求めるのが「モンテカルロ法」なのです。

さて、p = \frac{π}{4}であることがわかりましたが、
この確率pを求めなければ円周率の近似値を求めることはできません。

ここで活躍するのがコンピュータシュミレーションです。

コンピュータシュミレーションにより一辺4cmの緑色の正方形の内部にランダムに点を打つことができます。
そしてその点がどこにあったのかを記録し、打った点の総数のうちどれくらいが円の内部にあったのかを求めます。
この点を打つ操作を100万回,1000万回,1億回,…と何回も何回も行うことにより
以下のように確率pおよびπの近似値を求めることが可能になるのです。
ここで、計算に用いる値が「点の個数」であることに注意してください!

\frac{赤色の円の内部にあった点の個数}{打った点の総数} ≒ p = \frac{π}{4}

\frac{赤色の円の内部にあった点の個数}{打った点の総数} ≒ \frac{π}{4}

π ≒ 4\times\frac{赤色の円の内部にある点の個数}{打った点の総数}

と、コンピュータシュミレーションで得られる値\frac{赤色の円の内部にある点の個数}{打った点の総数}から
円周率πの値の近似値を求めることができるわけです。

このように「モンテカルロ法」は確率を用いた面白い円周率の求め方です!
その他に確率を使って円周率を求める方法としては、罫線付きのノートに針を投げて円周率を求める「ビュフォンの針」という方法がありますが、これはまた機会があれば紹介したいと思います。
では、今回はここまでとなります。最後まで読んでいただきありがとうございました!

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では、また他の記事でお会いしましょう!