中高生にも分かる数学

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【これで解決】複雑な分数を約分する方法!

【対象年次:中学一年~】

みなさんこんにちは!
中高生にも分かる数学のお時間です。

今回は数学検定1級で出題された、約分の問題を解説していきたいと思います。
「いや、約分とか小学生でもできるでしょ」と思ったそこのアナタ!
この問題を解いてみてください!

\frac{10033}{12877}を約分せよ。

…どうでしょうか。
これを一瞬で約分できる人はなかなかいないんじゃないかと思います。
2,3,5,7,...どれを試してもビクともしてくれません…
ではこういうとき、どうしたらいいのでしょうか?

それを解き明かすカギは、そもそも「約分」とは何なのかを考えることです!

例えば、\frac{6}{8}\frac{35}{10}のように約分できる分数は、分子と分母に1より大きな最大公約数があります。
最大公約数が25のように小さな数であれば、一瞬で約分ができちゃいますが、そうでない場合にはその最大公約数を求めるところから始めなくてはいけません。

では、\frac{10033}{12877}に話を戻しましょう。
もしこの分数が約分できるのであれば、1003312877には最大公約数があるはずなので、それを仮にdとしましょう。
このとき、ある自然数a,bを用いて

10033=a×d
12877=b×d

と表すことができますね。
ではこの2つの数を引き算してみましょう。

12877-10033=(b-a)×d
2844=(b-a)×d

ここで2844素因数分解してみましょう。
素因数分解とは、ある自然数を「素数」だけの掛け算で表すことでしたね。
幸いなことに284423を素因数に持つので、やりやすいです!
2844={2}^2×{3}^2×79
79素数ですので、これで素因数分解終了です。

よって
 2^{2}×3^{2}×79=(b-a)×d
となりますが、このときdに該当するのは79のみであることが分かります。
なぜなら、d1003312877の最大公約数なので1003312877dの倍数でなくてはなりませんが、100332の倍数でも3の倍数でもないからです。

ここまでくればあと一息です!
1003312877の最大公約数はd=73なので、
\frac{10033}{12877}73で約分できるはずです。
実際に73で約分すると、

\frac{10033}{12877}=\frac{127}{163}

となり、127,163はどちらも素数でこれ以上約分できないので、これで終了となります。
一口に「約分」と言っても数学検定1級の問題ともなるとさすがに少し難しいですね…

今回の記事はここまでです、お疲れさまでした!

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では、また他の記事でお会いしましょう!