素数が1つもない範囲は存在する?|素数砂漠
【対象年次:中学一年~】
みなさんこんにちは!
中高生にも分かる数学のお時間です。
今回は「素数」に関する話です!
みなさん、突然ですが、番目の偶数は何か分かりますか?
そうです。ですね。
を計算すれば簡単に分かります。
では、番目の素数は何か分かりますか?
そうです。です。(即行グーグルで調べましたw)
このように、「〇番目の偶数」や「▢番目の3の倍数」などは計算で簡単に求められますが、
「何番目の素数」のように素数の話になると、急に難しくなります。
では、以下の式に自然数を代入してみてください。
のとき
のとき
のとき
と、順番に試していくとこれらの値はすべて素数になります。
すごい!これは素数生成マシーンだ!と思いますよね?
この式は「オイラーの素数生成式」と呼ばれ、確かにたくさんの素数を生成できる式として有名です。
ですが、この式も完璧ではなくやのときは素数ではない数が生成されてしまいます。
さて、みなさんも薄々気付いているかと思いますが、素数の出現に絶対的なルールを見つけることは難しいです。
そうかもしれないし、そうではないかもしれない。
では、素数に関して「絶対に〇〇」と言えるようなルールはないのでしょうか?
…結論から言うと、普通にあります。
今回はそんな素数が絶対に存在しない区間についてお話ししたいと思います!
まず、についておさらいしましょう。
はと表され、
となるのでしたね。
これは高校一年生で習いますが、定義は中学一年生でも簡単に理解できると思います。
例えばという感じです。
そしてこのは、までのすべての自然数で割り切れるという性質を持っています。
これは当たり前で、はからまでの自然数を順番にすべてかけ合わせて計算するからです。
ではこれを踏まえたうえで、このような数たちを考えてみるとどうでしょう?
ごちゃごちゃしていますが、これはにまでそれぞれ足した値です。
ではこれらの数の中に素数はあるでしょうか?
実は1つもありません。
なぜなら、はからまでのすべての数で割り切ることができ、
となるからです。(以上の何らかの倍数である数は、素数ではありませんね!)
というわけで、
以上、以下である自然数の中には素数であるものは1つもなく、
の中には絶対に素数が存在しない、ということになります!
そして、この区間の長さ(広さ?)はを大きくすればするほど、長くなります。
を大きくしていけば無限に長い素数のない「砂漠」を作り上げることができるという訳です!
いかがでしょうか?
このように絶対的なルールがないように見えた素数にも、一定のルールを見つけることができます。
というものもあり、これもいずれ解説できたらなと思います!
「中高生にも分かる数学」では数学が苦手な人にも非常に分かりやすい記事を心がけています。
他にもいくつか記事があるので、ご覧いただけると嬉しいです!
では、また他の記事でお会いしましょう!