中高生にも分かる数学

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ゼータ関数と素数|誰でもその凄さが分かる解説!!

ゼータ関数

 ζ(s)=1+\frac{1}{2^{s}}+\frac{1}{3^{s}}+\frac{1}{4^{s}}+...

と定義されています。自然数の逆数の累乗和で表されます。
この関数と素数はどのように関連しているのでしょうか?今回はそのことについてお話します。

(式1の左辺)-(式2の左辺)=(式1の右辺)-(式2の右辺)

 ζ(s)=1+\frac{1}{2^{s}}+\frac{1}{3^{s}}+\frac{1}{4^{s}}+...
の両辺に \frac{1}{2^{s}}をかけると
 \frac{1}{2^{s}}ζ(s)=\frac{1}{2^{s}}+\frac{1}{4^{s}}+\frac{1}{6^{s}}+\frac{1}{8^{s}}+...
となり、前の式から辺々を引くと、
 (1-\frac{1}{2^{s}})ζ(s)=1+\frac{1}{3^{s}}+\frac{1}{5^{s}}+\frac{1}{7^{s}}+...
となり偶数の項が消えます。さらに、この両辺に \frac{1}{3^{s}}をかけると、
 \frac{1}{3^{s}}(1-\frac{1}{2^{s}})ζ(s)=\frac{1}{3^{s}}+\frac{1}{9^{s}}+\frac{1}{15^{s}}+\frac{1}{21^{s}}...
となり、前の式から辺々を引くと、
 (1-\frac{1}{3^{s}})(1-\frac{1}{2^{s}})ζ(s)=1+\frac{1}{5^{s}}+\frac{1}{7^{s}}+\frac{1}{11^{s}}+...
となり2の倍数でなく3の倍数である項が消えます。

このようにして、次々と \frac{1}{p^{s}}(pは素数)をかけて、前の式から辺々を引くと最後には1だけが残り、
 ...(1-\frac{1}{7^{s}})(1-\frac{1}{5^{s}})(1-\frac{1}{3^{s}})(1-\frac{1}{2^{s}})ζ(s)=1
となるので、ゼータ関数
 ζ(s)=\frac{1}{(1-\frac{1}{2^{s}})(1-\frac{1}{3^{s}})(1-\frac{1}{5^{s}})(1-\frac{1}{7^{s}})...}
素数と1だけで表現することができるのです。